コラム|道開きの香縁

神社でやってはいけないこと(その1)

2025年5月16日 神事

日本には、神様が鎮座している神社が数多く存在します。地元に根付いている小さな神社もあれば、全国的に有名な大きな神社もあります。 そんな日本に住む人に馴染みのある神社ですが、神様が住まわれている神域でもあるため、正しい作法や礼儀を理解していなければ失礼にあたります。 神社参拝には、古くから伝わる作法やマナーがあります。これらは単なる形式ではなく、神様への敬意と感謝を表す大切な方法ですので、今一度、神社に参拝に行く前に正しい礼儀作法を理解しておきましょう。

①境内で大きな声で話す

神社は、神様によって浄化された静寂な空気が漂っていて、その神社を崇敬されている人が、真摯に神様と向き合って、日頃の感謝を伝えに行く場所です。 神様は、信心深い人の願いや言葉を真剣に聞いておられます。そんなところに、大声で話しながら境内を歩くのは、神様や参拝者にとても失礼になります。 神社の境内は、神様の家の庭にあたる場所ですので、大声で話したり笑ったりするのはやめましょう。

②手水舎の柄杓に直接口をつける

手水舎は、左右の手を洗った後、左手で水を受けて、その水で口をすすぎます。 手水舎の柄杓は、他の人も使うので、直接口につける行為はNGです。 また、手水舎で手や口を清めるのは、神様に対しての最低限の礼儀・マナーです。 昔は、神社に参拝するときに、川で禊(みそぎ)をしてから参拝をしていました。 それを簡略化したのが、手水舎での手と口のお清めです。 神様が最も嫌われるのが、不浄な穢れです。その穢れを手水舎で清め、神様にお参りするのは当然のマナーです。

③参道の真ん中を歩く

神社の参道の真ん中は、『正中(せいちゅう)』と呼ばれる神様の通り道です。 正中は、神社の本殿と同じ神聖な場所になるので、参道の真ん中を歩くのはやめましょう。参道を横切るときは、本殿の方に向かって頭を下げて、「失礼します。横断させていただきます。」と言って通るようにしましょう。 又、拝殿で神様にお参りするときは、神様と自分との1対1の時間ですので真ん中に立ってお参りするのは良いとされています。

④御賽銭を投げ入れる

拝殿の前で一礼して御賽銭を入れます。御賽銭は御賽銭箱の上まで手を出し、 手の平の上を滑らせるように入れます。よく、御賽銭を投げ入れ、大きな音を立ててる人が居ますが、絶対にしてはいけないことです。スーパーなどのレジでお金を投げつけてるのと同じことになるのでやめましょう。 御賽銭を入れるときは、神様に感謝の気持ちを持って音を立てず静かに入れるようにしましょう。

⑤負の感情を持つ

神様は、ネガティブな感情も嫌います。負の感情を持って参拝すると、悪霊などの良くないものを持ち帰ってしまったり、相手の不幸を願ったりすると自分自身に返ってきます。神社に参拝するときは、明るく前向きな気持ちで行いましょう。 神社の神聖な空気が、ネガティブな考えや言葉で穢され、神様がお怒りになることもあるので、負の感情を持って参拝するのはやめましょう。

⑥境内での飲食

神社は、散歩やピクニックに行く場所ではありません。神社は信仰の場所で、 神様に日頃の感謝を伝える場所です。又、境内は神様の清浄な気が満ちるように神職さんや氏子さんたちが手入れされているので、境内での飲食はしないようにしましょう。ただ、神社によっては、参集殿などで飲食できるところもあります。 その場合は、ルールやマナーを守って、許可された場所で飲食してください。

最後に

神社でやってはいけないこと(その1)をご紹介しましたがいかがでしたか? 参拝マナーを守ることは、単にルールを守るということ以上の意味を持ちます。それは、神様への敬意を表す行為であり、自らの心を清め、精神を豊かにするための重要なステップになります。また、他の参拝者への配慮としても、静かで落ち着いた環境を保つことに繋がります。私達1人1人が参拝マナーを心がけることで、神社はこれからも多くの人にとって心のよりどころであり続けるでしょう。