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コラム|道開きの香縁

重陽の節句について

2025年9月7日 神事

重陽の節句とは、9月9日に行われる節句のことで、季節の節目に邪気を祓って無病息災を願う日のひとつです。別名「菊の節句」とも言います。古くから、1~9までの数字のうち奇数を「陽数」と言い、縁起の良い数字とされてきました。9月9日は、最大の陽数である9が月と日ともに重なるので 「重陽」「重九」と呼び、大変めでたい日とされてきました。現代では、五節句の中でも馴染みの薄い重陽の節句ですが、命を尊び、健やかで幸せな日々が続くことを願う大切な日です。

菊の節句と言われるのはなぜ?

邪気を祓うため生命力を分けてもらうという考えから、すべての節句はそれぞれの時期の植物で華やかに装飾されました。また、旬の食べ物を食べるのも同様の考えが由来。一度神様にお供えした後、神様に御力を入れて頂いた食べ物を頂くことで家族などの無病息災を願います。重陽の節句は、菊が見頃を迎える時期であること、そして菊に防虫があることなどから、菊が供えられるようになりました。また、その防虫効果から邪気を祓う効果や長寿の効能があるとも信じられています。

【重陽の節句で食べる物】

端午の節句に柏餅を食べるように、重陽の節句にもその日を彩る行事食があります。

栗ご飯

重陽の節句には、収穫祭の意味合いも込められていました。そのため、この日には秋の味覚である栗を使った料理を楽しみます。中でも代表的な料理が栗ご飯。現在でも、重陽の節句に栗ご飯を食べる家庭が多く見られ、秋の訪れを味わう風習として親しまれています。

秋茄子

秋茄子は、重陽の節句定番の食材です。「茄子を食べると中風(ちゅうぶ)にならない」という言い伝えがあるほど古くから健康を願う食材として親しまれていました。※中風(ちゅうぶ)とは、発熱や悪寒、頭痛などの不調を指す言葉です。体調がすぐれないときは、旬の茄子を食べると良いと言われてきました。そのため、重陽の節句では秋茄子を食卓に取り入れ、無病息災を祈る風習が受け継がれています。

食用菊

重陽の節句と言えば、やはり菊の花が欠かせません。長寿の象徴とされる菊は、古くからこの日に供えられる食材として親しまれてきました。お吸い物やおひたし、和え物、天ぷらなど、様々な料理に取り入れられ、重陽の食卓を華やかに彩ります。

重陽の節句で飲む物】

実は、食べ物以外でも、昔から節句のお祝いと長寿を祈願して飲まれていたものがあります。

菊酒

菊酒とは、日本酒に菊の花を漬け込んだ風味豊かなお酒のことです。菊は、優れた薬効を持つ植物として広く知られています。そのため、菊を浮かべたお酒を飲むことが長寿をもたらすと信じられています。

最後に

重陽の節句についてご紹介させていただきましたがいかがでしたか?端午の節句や七夕に比べると馴染みが薄いかもしれませんが、「重陽の節句」には深い意味が込められており、日本人にとって大切な節句の1つです。毎年9月9日には、菊の花を飾り、秋の味覚を楽しみながら、健康と長寿を願って過ごしてみてはいかがでしょうか。