お正月について(その2)
2023年12月29日 行事
おせち料理とは?
お正月料理の代表とも言えるのが【おせち料理】です。もともと年間の節目となる年間行事を節句といい、そのとき神様に「御節供(おせちく)」という料理をお供えする風習がありました。それが、特に重要な年間行事である正月の料理を指すようになり、おせち料理として残ったとされています。おせち料理の特徴は、縁起物を使った料理が多いところです。例えば、紅白かまぼこは「日の出」、昆布巻きは 「喜ぶ」という言葉、栗きんとんは「黄金色に輝く財宝」に関連付けられています。 おせち料理は、年神様にお供えした縁起の良い食べ物を家族で分かち合うものなのです。
「おせち料理」に込められた意味とは?
①栗きんとん
栗きんとんは、美しい黄金色が財産を表し、富を得る縁起物として欠かせない一品です。
②伊達巻
伊達とは、華やかさを表す言葉。鮮やかな色で目を引く伊達巻は、おせちに欠かせない花形の存在です。また、鬼すだれで巻いた姿を文書などの巻物に見立て、学問や習い事が成就するよう願いを込めた料理でもあります。
③黒豆
黒には魔除けの力があるとされていて、邪気を払い、健やかに暮らせるよう願いを込めた料理です。また、関東風の黒豆は、シワができるように煮ることから 「シワが寄るまで元気に働けるように」という願いが込められています。
④数の子
ニシンの卵である数の子は、粒が多いことから『子孫繫栄』を願った縁起物として食されます。また、ニシンは「二親」とも書き、『二親健在』であることを願っています。
⑤海老
鮮やかな色で目を引く海老は、茹でたり、焼いたりすると背が丸くなることから、 腰が曲がるまで長生きできますようにという長寿の願いが込められています。
⑥田作り
片口いわしを冬の風で乾燥させたものを使います。かつて高級肥料の片口いわしを使って米作りをした田んぼでは、豊作となったことから「田作り」と呼ばれています。 豊年豊作の願いを込めたおせち料理です。
⑦昆布巻き
「喜ぶ」という語呂合わせから、皆が健やかに顔を合わせられた喜びを共にし、一家の幸せを願う意味のある料理です。また、「養老昆布(よろこぶ)」とも書き、 不老長寿の意味もあります。
⑧たたきごぼう
ごぼうは、土の中深くまで根を伸ばし、土地に根付く野菜であることから、一家がその土地にしっかりと根を張り、安泰に暮らせるように「無病息災」を願って食べられるものです。
⑨煮しめ
里芋は、子芋がたくさん付くことから「子孫繁栄」を表し、れんこんはたくさんの穴が開いていることから「先が見える・将来の見通しが良い」ことを表しています。
⑩紅白なます
紅白の色は、水引の色を表していると言われ、平和を願う縁起物としておせち料理に加えます。
⑪紅白かまぼこ
かまぼこの形が「初日の出」に似てることから、おせち料理に加えます。 赤は【魔除け】、白は【清浄】を表します。
⑫ぶり
成長するごとに名前が変わっていく出世魚。家族の出世を願っておせち料理に加えます。
お雑煮とは?
お雑煮は、年神様にお供えしたお餅をいただくための料理です。年神様の御力を入れていただいたお餅を食べることで「新しい年を健康に過ごせるように」という願いが込められています。もともとは、年神様にお供えしたお餅や野菜を、その年初めて汲んだ『若水』に入れ、新年最初に起こした火で調理したのが由来です。
※若水とは、新年に初めて汲む水のことで、邪気を除くとされています。 1月1日の朝になると一家の代表である男性が、自宅近くの井戸や川、湧き水から水を汲む「若水汲み」という行事があります。若水を料理に使ったり、若水ですった墨を書き初めで使うと縁起が良いと言われています。
お正月の定番として食べられている『おせち料理』や『お雑煮』ですが、それぞれに様々な意味が込められています。そして、各料理には古くから人々の健康への願いや将来への願い・繁栄などの祈りが込められています。おせち料理を食べるときは、 ただお正月の習慣としてではなく、その1つ1つに意味が込められていることを意識しながら家族で食べると、より美味しく味わうことができます。
まとめ
ここまで、お正月について(その1)(その2)をご紹介しましたがいかがでしたか? お正月行事やおせち料理には、新年を迎えられた喜びや、新年が良い1年になってほしい、家族が健康で幸せになれるようにといった願いが込められています。お正月には、年神様をお迎えする意味があり、年神様は1年間の幸福と豊作を授けてくれます。また、『明けましておめでとう』は年神様をお迎えできた喜びと感謝を表しています。このような伝統的な風習や行事や料理の意味を知って、新たな気持ちでお正月行事を楽しんでみてください。